携帯電話と農作物被害


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 携帯電話はここ海南島でも当然のように浸透している。海口のような都市部だけではなく農村部も同様である。村で調査をすると、たくさんの人が携帯を持っていることに驚くし、なによりも意外と携帯料金が高い人がたくさんいることに驚かされる。月の収入が1000元そこそこの人でも100元以上使っているケースはざらだ。仲間と連絡を取る以外には、音楽をダウンロードしたりするらしい。

 カメルーンでも同様の傾向は見られたし、きっとどこの国でもそうだろう。自分のおなかを空かせてまで携帯を保有する姿を目にすると、携帯電話というものが嗜好性の強い消費財であることを認識させられる。

 携帯とかインターネットなど旧来無かったものが急激に流入して、本来健康のために投資されるお金が、そちらに流れていってしまうのはどうなんだろうと考えたりもするけど、日本だって国家予算の30%余りが酒税とタバコ消費税でまかなわれていた時代もあったそうだし(嗜好品をめぐる経済観念の不思議とその経済的機能 高田公理)、まぁ、そんなものかなとも思わなくも無い。

 とはいえ何かしらの利点もあったほうがいいな、と思っていたら、先日、五指山市の農協からメール(五指山農信)が流れてきた。内容は四棱豆という豆の疫病が発生していることとその診断法・対策法だった。市場の野菜卸売り価格を流すこともある。五指山農信はひと月2元(約25円)のサービスだ。解約の仕方がよくわからないのと面白そうなのとで昨年11月末から情報を受け取っている。

 今のところ、農業版しか存在しないようだが、保健・医療に関する情報が流れてきたり、天気予報なんかが流れてきても村人には有益だろう。人気カラオケチャートでもいい。携帯のネットワークを保健分野で使う取り組みはいろいろなところですでにされているけど、トップダウンのきく国なのだから、中国こそ早くやってしまえばいいのにと思う。


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