国連ミレニアム開発目標
今日は外務省とFASID共催でおこなわれた、
「開発への投資:ミレニアム開発目標(MDGs)達成のための実践的行動計画」
発表記念講演に行ってきました。
スピーカーは国連ミレニアム・プロジェクトを3年にわたり、
率いてきたコロンビア大学のJeffery Sachs教授でした。
MDGsは2015年までに極度の貧困を半減させるため、また、
発展途上国の人々の生活を向上させるための、費用対効果の高い具体策をふくめた、
今までで最も包括的な戦略とされています。
ホームページはhttp://www.unmillenniumproject.orgです。
講演の中で彼が一番強調したのは、
理論的ではなく実践的な側面にそって、開発援助をおこなうべきだというものです。
世銀やIMFに対する批判であると同時に、日本の援助の実績を高くするものでした。
ほんのちょっと前まで、被援助国でもあった日本の援助は
インフラ整備などを中心としたもので、これらは全て日本の経験に基づいた、
実践的な側面を強く持ったものだったと評価していました。
そして、そのノウハウを今、アフリカに活かすべきだ、と発言していました。
この計画書は包括的なものであると評価される一方で、
NGO関係者からは物足りない、つまり不足がたくさん見られる
という意見が多いようです。
それはそうですよね。当然報告書には限界はあります。
顔の見える援助にならなくなってしまうのでは、という発言も出ました。
私自身は、日本の援助の最大の弱点は実践的でしかないこと、
つまり理論に裏付けされてないことである、と少し思っている人ですので、
いろんな意見があるなって改めて思いました。
まぁ、言い切れることなどそもそも何にもないんですけど。
将来、私がどのような形で開発に関わるかは本当に分かりません。
ことによるとNGOの一員という立場で働くかもしれませんし、
あるいは、国際機関の一員として政策立案のような形で関わっていくかもしれません。
前者はpeople in needに直接ふれあっていることが出来るという利点があります。
ただ、同時に世の中に与えることの出来るインパクトは比較的小さいかもしれません。
後者は世の中をより俯瞰的に捉え、より大きな影響を世界に与えられる一方、
机上の空論になってしまうこともあるでしょう。
もしくは、全然関係ない仕事に就くかもしれません。
ただ、まぁ、一番難しいことなんですけど、
どちらの立場にも立てるような、(少なくとも立とうとして、
ない頭をフル稼働して、立つことを想像しようとするような、)
バランスの取れた人間でいたいと思います。