サポートを引き出すベビーシェマ戦略


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 7月24日の夜に上海に飛び、25日から再び海南島に来ています。滞在予定は9月10日までの予定です。

 今回は新しく調査チームに入った修士1年生の女の子の面通しを行なうのがひとつの目的。それで先生たちにもお願いして海南島まで来てもらいました。当たり前といえば当たり前なのだけど、私のようなペーペー人間がどんなに一生懸命紹介するよりも、先生たちに来てもらったほうが、それがどんなに適当な紹介であったとしても効果が絶大。しかも幸いなことに先生たちも一生懸命やってくれるので、彼女の面通しも実にスムーズに終わりました。

 こちらに来て3日後くらいには彼女が調査する村が決まって、というよりか正確には、彼女の安全の確保など現地の制約でほぼ決められてしまっていたのだけど、大家さんの性格も生活条件もなかなか良さそうで、なかなかいい調査環境でしょう。マンゴーとかゴムの栽培で繁栄している村で、村の書記である大家さんの家はコンクリート造りの二階建て。もっとボロい村に住んでもらうつもりだったのに。

 この修士の学生は、周囲を心配させるようなことを平気で言うので、みんなでかなり完璧なサポートをしてしまいました。これまでの海南島10年の調査の経験が惜しみなく出されて、しかも過保護にならないようにという配慮までなされて、こんな上出来の調査のサポートはないでしょう。あとは彼女がどんな調査をするかだけです。

 なぁんて、暢気に高見の見物を決め込んでいたのだけど、彼女を村に放置してきた夜に先生たちと部屋で飲んでいたとき、「ところで、井上は何の調査をするの?」という質問をされて、自分のことをなにも考えていなかったことにようやく気がついたわけです。文昌という移民をたくさんいる場所に行こうとは思っているのだけど、そこで何をしようかなんてあまり具体的に考えておらず、今、少し焦っている、と。翌日に文昌には行って、村のあたりだけはつけてきたのだけど、さてどうしよう・・・。

 赤ちゃんがかわいい理由として、育児放棄されないですむようにという説明があるそうです。(赤ちゃんの特徴的なかわいさはベビーシェマと呼ばれています。)これを思い出してなるほどと膝を打ってしまったわけです。つまり、フィールドワーカーも、ことによると世間一般の人間関係も一緒で、先輩(保護者)にほどよく心配させ、サポートを引き出すのも生存に必要な能力のひとつかもしれないと思ったのです。もちろん心配させるのが過度になると完全に捨てられてしまうわけですが、あんまり、「自立しています」「ひとりで大丈夫です」というオーラを出すと、結局自立が遅くなったり、大丈夫じゃなくなったりするのかもしれません。

 でも、そんなベビー的なかわいさは自分にないし、考えるだけ無駄であることに今気がついた 笑

 さて写真は、今度入ろうとしている文昌の村。一族郎党の住居を貫くようにそれぞれの建物にドアが付けられています。これは風水のことを考慮しているとのこと。うーん、いっそのこと、風水で調査内容を決めてもらうか(んな、無茶な!)。


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