[書評]コミックでわかる アドラー心理学


アドラー心理学をコミックで解説した図書。失業中の元アパレル店員・麻衣に学習塾経営者の藤崎がアドラー心理学を教えるという形で物語が進んでいく。ふんわりと理解したい人には良いのかもしれない。

生き方・考え方としては賛同するけど、社会全体に対する処方箋にはならないような気がした。格差が広がる社会においては「共同体感覚」を持ちえないし、自分が苦しむ経済的な困窮は、他者との格差がある中ではなおさら劣等感を産みだすことだろう。本書では劣等感を乗り越えるために「完全への努力」(=共同体のために努力する/より大きな善のために行動すること)が推奨されているのだけど、共同体が機能していないのだから努力が向かう先がない。そうなると、なかなか効果がないのではないか。

もうすこししっかりと読んできちんと理解しようと思った。

<メモ>
p.41 優越感を求めるために誤った方向に進んだ人をどのように援助することが出来るだろうか。優越感の追求が誰にでもあるということを認めれば困難なことではない。
p.83 人は「事実」によってではなく、事実についての考え(意味づけ)によって影響を受けることは、明らかである。
p.104 生涯にわたって妬みに満たされている人は共生にとって有用でない。そのような人は、常に他の人から何かを奪い、何らかの仕方で軽視し、邪魔をするという欲求を示すだろう。
p.126 三つの絆 仕事、交友、愛
p.148 人は外界に関心を持ち、他者と結びついている時にだけ、正しく見、聞き、話すのである。
p.150 われわれの言葉は、一言で精神生活の最も繊細な形成物を表現するにはあまりに貧しい。それゆえこの表現によって隠されている多様性を見逃してしまうことになる。そこで言葉にしがみつく人には矛盾が見えてきて、精神生活の統一性は決して明らかにならない。