MTG20140101
経済発展すると、人々の健康意識や健康追求行動も高まりを見せる。アメリカの健康産業はGDPの15%以上をしめ、カナダや日本の健康産業もまた10%以上を占めている。
2012年、中国の60歳以上人口の割合は14.3%を占めている。高齢化によって健康食品の需要を高まり、加えて環境汚染が引き起こす健康問題によって、健康食品への関心も高まりを見せている。さらにネットショッピングの普及は健康食品産業にあらたな盛り上がりをもたらしている。
マッキンゼー(麦肯锡)の予測によると、中国の健康産業の発展のスピードはアメリカや日本を越えようとしており、2020年の市場規模は2000億元。そのうち栄養保健食品は年15%で伸びている。
目下、中国において健康産業が占めているのはGDPの4-5%である。2008-2012年に栄養食品とサプリメントは21.6%の伸びを見せ、2012年に5800億元であった規模は2015年に10150億元にまでなる見込みである。
高齢者と中産階級のホワイトカラーが消費の中心である。2011年から2050年、中国の高齢者の消費能力は3.22万億元(3.22兆元のこと)から283.2万億、GDP比としては8.4%から29.2%に増える。また、生活リズムが早くなることによって、仕事のストレスは高まり、中年・青年、特にホワイトカラー健康問題は増加している。例えば、高血糖、高血圧、高脂血症、疾病の発生率などである。こうした状況は必然的に中年・青年およびホワイトカラーの健康意識を強くするもので、栄養食品を摂取する習慣がどんどん広まることにつながる。
[コメント]
誰にも必ず起こる死・病気にいつ損なわれてもおかしくない健康に投資するのは、それだけ社会が成熟したということだろう。調査する村の人であっても健康食品、通販グッズを買おうとする。効果が実際にどうであるか、客観的評価をすること、そしてそれを人々の伝える基盤づくりは中国社会でこれから求められることであるだろう。
[URL]
http://ch.acnnewswire.com/press-release/simplifiedchinese/15266/中国健康产业-迎发展新机遇
胎児の染色体異常を調べる新出生前診断を、中国の遺伝子解析会社が日本国内で始めた。
日本医学会の指針に違反した状態で行われている疑い。
日本では神戸市に事務所があり、ホームページでダウン症など3種類の染色体異常が分かると宣伝。
[コメント]
医学会の指針には罰則規定はないだろうから、生命倫理のグローバリゼーションに対応することは難しいだろう。生命に対する観念もどんどん均質化していくのであろうか。気になるのは、均質化していくときに「悪い」方にそろっていくようであること。
[URL]
http://www.47news.jp/CN/201312/CN2013122301001743.html
一人っ子を亡くした親は「失独者」と呼ばれる。
中国では「失独家庭」の数が100万を超えているとされる。
国家衛生・計画生育委員会は補償金を増額する方針。それでも、不十分。
都市部在住:月額340元(約6000円)/一人あたり
都市部以外:月額170元
一人っ子政策の違反者が支払う罰金の額が、補償金額に比べてはるかに高い。
2012年には、その罰金の額が計200億元。
[コメント]
人間の営みをコントロールすることはやっぱり難しい。計画した政策は、経済も上手く回せなかったし、社会の基礎である家族制度にもひずみを生んでしまった。たとえば、出生性比は大きく崩れてしまったし、高齢者を支えてきた家族のあり方も存亡の危機にたたされているわけである。わがまま一人っ子(小皇帝)の問題もある。
ソーシャルキャピタルとの関わりで家族のあり方を加えることができるか。たとえば、失独者の心理ストレスを評価した研究はあるだろうか。
[URL]
http://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2013/12/117075.php