研究会/20130922


研究会名称

JAGES研究会
 JAGES(Japan Gerontological Evaluation Study, 日本老年学的評価研究)
 http://square.umin.ac.jp/ages/

発表1:鶴田課長補佐

介護・医療関連情報の「見える化」の推進

地域包括ケアシステム
 保険者である市区町村や、都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、
 地域の特性に応じて作り上げていくことが必要。
 それぞれの特徴や課題を客観的に把握する必要がある。>> 見える化

介護予防Webアトラス(日本福祉大学健康社会研究センター)
 自治体における現状分析を支援する。
 時系列変化の見える化も。
  都道府県、市区町村単位、日常生活圏域単位での集計。
  
  >> 日常生活圏とは:
  市町村介護保険事業計画において、当該市町村が、その住民が日常生活を営んでいる地域
  として、地理的条件、人口、交通事情その他の社会的条件、介護給付等対象サービスを提供
  するための施設の整備の状況その他の条件を総合的に勘案して日常生活圏域を定めるものとする。
  http://www.city.kasugai.lg.jp/dbps_data/_material_/localhost/13400/t1341000/seikatukeniki.pdf

介護予防の取り組み

(1)体操
  例:大阪府大東市、岡山県総社市、茨城県利根町
  いきいき百歳体操
  大東元気でまっせ台東
  シルバーリハビリ体操指導士
  →飛んだり跳ねたりする高度な体操を行うのではなく、住民が集う場所としての提供。
   住民が主体となっている。
(2)サロン
  例:愛知県武豊町
(3)その他
  地域ケア会議(山梨県北杜市)
  介護予防ボランティア(長崎県佐々市)

社会参加と介護予防効果の関係
 スポーツ関係・ボランティア・趣味関係のグループ等への社会参加の割合が高いほど、
 転倒や認知症やうつのリスクが低い傾向がみられる。

その他

リハ職を介護予防事業で積極的な活用を目指す。
 ケースカンファレンス
 通所事業
 訪問事業

国際生活機能分類 International Classification of Functioning, Disability and Health:ICF
 2001年のWHO World Health Assemblyにおいて、国際障害分類の改訂版として採択。
 人が生きていくための機能全体を「生活機能」としてとらえ、
  (1)身体の動きや精神の働きである「心身機能」
  (2)ADL・家事・職業能力や屋外歩行といった生活行為全般である「活動」
  (3)家庭や社会生活で役割を果たすことである「参加」
 の3つの構成要素からなる。
 参考ウェブサイト
 http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/glossary/ICF.html

発表2:市田行信先生

 Ichida Y et al. 2013. Does social participation improve self-rated health
 in the older population? A quasi-experimental intervention study. Soc Sci Med pp.83-90.
 http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0277953613002803

計量経済学の指摘:逆の因果
 プログラムの効果ではなく、そもそも、介護を予防しようという意識の高い人たちがプログラムに参加し、
 介護や予防について意識の低い方が参加しなかったという影響があるのでは?

 健康になりたいという意識を「サロンへの距離」で代用して、逆因果をコントロール。
  cf. Card etal.(1993)は大学進学と大学への距離が相関の高いことを理由にして、
    逆因果を調整するために、大学への距離を利用した。

 操作変数法(IV):
  サロンまでの空間的距離を用いて、曝露変数を推定。
  そのうえで、曝露変数が結果にもたらす影響を推定する。

発表3:岡田栄作先生

ベンチマーク分析のためのデータ
地域診断書の作成

発表4:三沢仁平先生

高齢者のうつ関連要因:パネルデータの重要性とその政策的意義

うつに対する施策を実施することが、自殺予防対策にとって非常に重要
日本において、成人のうつによる総コスト額は2兆円。

うつのリスクを特定することが重要
高齢者を対象にしたメタアナリシス
 死別経験、不眠、障害有、過去のうつ症状、女性(Cole and Dendukuri, 2003)
 女性、身体疾患の有無、うつや精神疾患の既往、社会的交流の乏しさ、身体疾患(Djernes, 2006)

AGES(愛知老年学的評価研究)
 2003-2007 パネルデータ
 分析対象者は3464名
 GLM(link: logit)で男女別に分析
 
 結果(うつあり=1)
  男性
   SRH、友人と会う頻度、趣味がある、SOC(OR<1)、ライフイベント(OR>1)
  女性
   SOC(OR<1)、後期年齢(OR>1)

発表5:金森・林先生

▼金森先生

地域組織への参加の有無

 「運動」「スポーツ組織への参加」群のほうが要介護認定のハザード比が低い
 単独運動/交流あり運動
  抑うつのオッズ比
   単独運動:有意に低い
   交流あり運動:有意に低い
  地域への信頼
   単独運動:有意差なし
   交流あり運動:有意に高い

 スポーツ組織に多く参加している地域の特徴
  高齢化率が低い
  人口密度が高い
  講演や歩道、商店の多さ

 http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0051061

▼林先生

スポーツ組織に参加している高齢者では、個人で運動する高齢者よりも転倒が少ないかどうか検証する。

目的変数:過去一年間の転倒歴(1回以上)
説明変数 (転倒歴%)
 運動をしておらず、スポーツ組織にも参加していない 31.2%
 運動は実施しているが、スポーツ組織には参加していない 24.6%
 運動は実施しておらず、スポーツ組織には参加している 21.4%
 運動を実施しておらずスポーツ組織にも参加している 20.8%

個人で運動している高齢者よりも、スポーツ組織でのみ運動している高齢者のほうが、転倒歴が少なかった。
スポーツ組織に参加して運動することが、転倒予防として効果的である可能性が示唆された。

発表5:岩間信之先生

フードデザート問題研究の概要と低栄養問題に関する事例研究
 フードデザート:社会・経済環境の急速な変化の中で生じた生鮮食料品供給体制の崩壊と,
         それに伴う社会的弱者層の健康被害を意味する社会問題。
         http://www18.atwiki.jp/food_deserts/

定義
(1)自宅から生鮮食料品店への買い物利便性が極点に悪い
(2)自家用車を利用的ない社会的弱者の集住
 買い物利便性は、店舗までの物理的距離だけでなく、社会からの孤立や貧困などから来る心理的距離も含む。

 空間的要因:買い物環境の悪化;食品アクセス低下
 社会的要因:社会的弱者の増加:貧困、SCの低下
 →FDsエリアを特定するには、研究対象地域をミクロスケールでとらえ、
  空間的要因、社会的要因の両面から分析を進める必要がある。

健康被害の可能性
 低栄養の影響で肺炎などのリスク上昇
 老化の早期化、生活自立度低下や要介護度の上昇

栃木県委託・アンケート調査
 4663世帯 (回収率36.4%)
 食品摂取の多様性調査
 地域在宅高齢者における食品摂取の多様性と
 高次生活機能低下の関連
 http://www.jsph.jp/library/docs/2003/12/50-12-a1117.pdf

 食品摂取の多様性得点:3.67点(低群が48.9%)
 低栄養のリスクが極めて高い

 中心地に居住しているからと言って、フードアクセスがいいとは限らない。

その他
 生鮮食料品店まで距離が500m以上で、自動車を持たない人口推計
 http://www.maff.go.jp/primaff/koho/press/pdf/130603.pdf

 引きこもっていると知的能動性が低くなる。

 図書
 https://www.gov-book.or.jp/book/detail.php?product_id=269680

コメント:
 高齢者は低栄養の方が肥満より問題
 会食サービス 男性が参加するようになった

発表6:宮國康弘先生

東海市における特定健診データとソーシャル・キャピタルの関連

 高血圧との関連
  地域の信頼感
   Hamano, T., Fujisawa, Y., Yamasaki, M., Ito, K., Nabika, T., & Shiwaku, K. (2011).
   Contributions of social context to blood pressure: findings from a multilevel analysis
   of social capital and systolic blood pressure.
   American journal of hypertension, 24(6), 643-646.
   http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21415843

  職場の信頼感
   Oksanen, T., Kawachi, I., Jokela, M., Kouvonen, A., Suzuki, E., Takao, S.et al.(2012).
    Workplace social capital and risk of chronic and severe hypertension:
    a cohort study. Journal of hypertension, 30(6), 1129-1136.
    http://journals.lww.com/jhypertension/Abstract/2012/06000/
    Workplace_social_capital_and_risk_of_chronic_and.14.aspx
   Fujino, Y., Kubo, T., Kunimoto, M., Tabata, H., Tsuchiya, T., Kadowaki, K.et al.(2013).
    A cross-sectional study of workplace social capital and blood pressure:
    a multilevel analysis at Japanese manufacturing companies. BMJ open, 3(2).
    http://bmjopen.bmj.com/content/3/2/e002215.full

  認知的ソーシャルキャピタルと高血圧の関連を調べた先行研究はあるが、
  構造的ソーシャルキャピタルとの関連についての研究はこれまで少なかった。

ソーシャル・キャピタル指標
 (1)社会的サポート
 (2)8つの会への参加
  垂直型:政治、業界、宗教、町内会、老人クラブ
  水平型:ボランティア、スポーツ、趣味
 (3)社会的ネットワーク:友人と会う頻度

 健康日本21でソーシャルキャピタルの重要性が明記された

発表7:尾島俊之先生

 要介護期間を規定する要因を明らかにする。
 ・健診や人間ドックを定期的に受けること
 ・治療中の疾患がないこと。
 ・治療を自己中断しないこと。
 ・学歴が高いこと
 ・趣味の会に参加していること
 などについて要介護期間が有意に短い。

発表8:芦田登代先生

サポートの種類
 情緒的サポート
 手段的サポート
サポートの方向
 受療/提供

コメント
 授受のバランスが関係していると示した先行研究がある。
 ソーシャルキャピタルのつなぎ直しの可能性の有無を考えると、近隣だけでなく、
 友人、知人なども入れた方が良いのではないか?
 
 

発表9:岡田栄作先生

地域在住高齢者の死亡とリスク要因の検討

比例ハザード性の確認
 ログマイナスログをとって、共変量の項が平行であるか
 日数と共変量の交互作用項が有意であるかの確認
が必要。

等価所得:等価所得とは、世帯の所得を世帯人数の平方根で割ったもの。
 一人当たり所得とは異なる!
  世帯単位で集計した所得をもとに、世帯の構成員の生活水準を表すように
  調整した所得を「等価所得」と呼ぶ。
  水道光熱費や耐久消費財のように世帯内で共通に消費される財やサービスに
  要するコストを世帯員ひとりあたりで見ると、
  世帯規模が大きくなるにつれて低下する傾向があるので、一人当たり所得とは異なる。


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