この国はいつからあの国よりも・・・


 自らの政策を打ち出し、有権者の支持を受け一票をとることはとても大切なこと。しかし、だからといって一票のために何をしてもよいわけではない。
 高度経済成長期ではないのだから、右肩上がりで、みんながみんなハッピーになる、ことなんてありえない。有権者にとって厳しい政策が、日本という国全体を考えたときに最善策であることがある。そういったとき、政治家は自分の当選を脅かす意見表明だったとしても、より広い人々にベネフィットがあり、そしてより長期的なメリットがあるような意見を表明しなくてはならない。間違っても甘言を並べ立て、次回の選挙に当選することだけを考えてはいけない。おそらく、それができるかどうかは「政治家の品格」にかかっているのだろう。

 確かに事業仕分けをすることは大切だ。そもそも無駄はあっていいものではないし、どんどん少子化が進む社会において、少ないリソースを有効活用することは、ますます必要度を増している。しかし報道を見ていると、大局を見ているというよりかは、前回の選挙のつけを払うためだけに、何も分かっていないクラリオンガールが仕分けをしているように私の目には映る。

 スーパーコンピュータが「無駄」かどうか、人によって感じ方は違うのはもちろんだ。路上生活者はそんなハイテクよりも、一切れのパンの方がよほど必要だろう。でもほかならぬ「資源がない日本」が、世界で戦っていくことができる唯一の方法は、科学分野をはじめとした知的産業の活性化のはずだ。母校の初代校長が昭和30年代の初頭に言っていたこと、「頭脳の資源化」という言葉の重さを強く感じる。

 それにしても日本はいつのまに、あの国より社会主義になったのだろうか?


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