地球を救う新世紀農業 アグロエコロジー計画 書評


本題はアグロエコロジーのはず……

 本書はアグロエコロジーの入門書である。アグロエコロジーは、農薬や化学肥料を使わない自然と調和した農法のことを言う。有機農業と多くを共有するが、現在の有機農業が本来の理想からかけ離れ、バイオ肥料を空中から大量撒布したり、小作農家からの搾取をおこなったりするのに対し、発展途上国ではじまったアグロエコロジーは、農家の生活をきちんと守った農法だというのだが……あとがきを読むまで、何が主題なのかあんまり良くわからなかった。

 あとがきをみればよく分かるように、著者は実直な人で、本来は分かりやすい文章を書く人だろう。ただ残念ながら、今回の文章にそういった良さはなかった。本題とはかけ離れたトピックがあまりにも多く、読みながら何度もタイトルを見返してしまった。その上、読者に理解しやすいようにとの配慮から引かれたさまざまな例(エヴァンゲリオン、ガンダム、戦艦ヤマト)は、かえって混乱させられたし、オヤジギャグも文章で書かれてしまっていたは面白くもなんともない。こういうことは編集者のアドバイスとかで修正するものなのだろうから、もっといい編集者がついていたら全然ちがった作品になった気がする。


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