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疫学・公衆衛生学論文の書き方

ようこそ!

このページにアクセスしてくださり、誠にありがとうございます。「疫学・公衆衛生分野で原著論文を書く」というテーマで、私がこれまで経験してきたこと、工夫してきたことをこのページで紹介させていただきます。

紹介する内容は、同じ疫学・公衆衛生学でも実験を中心にされている方には、当てはまらない可能性もありますが、ページにアクセスしてくださった皆様にとって、少しでも役立つ情報があれば幸いです。

1. はじめに:基本を理解する

疫学論文は研究結果をまとめた報告書です。美しい表現よりも論理の明確さとシンプルな言葉を重視します。

2. 適切なテーマの選び方

テーマ選びは重要です。既存の文献で扱われていない健康関連の課題に注目し、具体的で測定可能な研究課題を見つけましょう。

3. 論文の種類

オリジナル研究、短報、総説、ケーススタディなど、論文には様々な種類があり、それぞれが公衆衛生の中で異なる役割を果たします。

4. 研究課題

明確で測定可能かつ公衆衛生に関連した研究課題を設定しましょう。

5. 文献レビュー

類似の研究をレビューすることから始めます。PubMedやGoogle Scholarなどのデータベースを活用し、テーマに関する知見を収集しましょう。

6. 研究プロポーザルの作成

目的、研究課題、方法を明記したプロポーザルを作成します。これが研究と執筆の指針となります。

7. 文献管理ソフトの活用

ZoteroやMendeleyなどのツールを使って、文献を整理し正確に引用するようにしましょう。

8. PICOフレームワークでの研究デザイン

PICO(対象集団、介入、比較、結果)を用いて、文献検索を効率化します。

9. 論文の構成:IMRaDフォーマット

IMRaD(Introduction: 序論、Methods: 方法、Results: 結果、Discussion: 考察)を活用すると、論文が明確かつ論理的な構成になります。

10. 序論の書き方

研究の背景、先行研究、研究のギャップ、目的を明記し、論文全体の土台を築きます。

11. 背景情報

研究対象の健康問題を説明します。統計データや信頼性のある情報源からの情報を使い、研究の重要性を示しましょう。

12. 研究のギャップ

先行研究で解決されていない課題を特定し、論文で取り組むギャップを示します。

13. 研究の目的

研究の目的を簡潔に述べます。多くの場合、序論の最後に一文で表現します。

14. 方法論セクション

研究デザイン、対象集団、変数(アウトカム、暴露)、データ収集方法などを詳細に記述します。

15. 統計分析

データ分析の方法(例えば、回帰モデル)を概説し、分析手法が読者に理解できるようにします。

16. 倫理的配慮


倫理審査の承認、同意取得手順、研究に伴う倫理的な考慮事項を説明します。

17. 結果の書き方

重要な結果を解釈せずに提示します。結果を簡潔に示すため、表や図を使用すると効果的です。

18. 結果の解釈

重要な結果とその意味合いを強調しますが、表で既に示されているデータの繰り返しは避けましょう。

19. 考察セクションの構成

結果の要約、先行研究との比較、研究の強みと限界、今後の研究方向の順に構成します。

20. 結果の要約

主要な結果を簡潔にまとめ、研究課題に対する答えを示します。

21. 先行研究との比較

自分の結果が先行研究とどのように一致または異なるかを述べ、研究を学術分野の中で位置づけます。

22. 強みと限界

研究の強みと、それが結論に与える影響について述べます。

23. 今後の研究への提案

今回の結果を基に、将来の研究で取り組むべき分野を提案します。

24. 結論

研究の意義と疫学分野への貢献をまとめ、論文を締めくくります。

25. 学術論文におけるよくある間違い

複雑な言葉を避け、論理的な流れに焦点を当てます。学術論文は明確さを優先します。

26. 剽窃と倫理的な執筆

すべての情報源を正しく引用し、剽窃を避け、研究の誠実さを保ちましょう。

27. 短い文の使用

文の長さを15〜20語程度に抑え、1文で1つのアイデアを伝えます。

28. 専門用語を避ける

技術用語をシンプルに説明し、広範な読者に理解されやすくします。

29. 投稿プロセス

ジャーナルのガイドラインをよく確認し、カバーレターを準備して、投稿条件を満たすようにします。

30. レビューアのフィードバックへの対応

フィードバックに対して丁寧かつ明確に対応しましょう。レビューに基づいて修正することで、論文の質が向上します。