井上です。みなさん、こんにちは。 私が担当するゼミのテーマは格差社会と健康です。 イチローカワチ先生たちが書いた『不平等が健康を損なう』という本を課題図書にして行います。 詳細は配布されたシラバスにある通りですが、少し紹介します。 ずっと前から、人びとの収入と健康には関係があることが知られています。簡単に言うと、貧乏な人は食べ物を十分に食べられなかったり、医療も十分に受けられなかったりで、健康を害しやすいということです。それに対して、お金持ちは十分な生活を送り、健康的に暮らしやすいと。 これに加えて最近の研究で、格差が大きくなると、つまりスーパー貧乏な人とスーパーお金持ちがいるような状況であると、社会に暮らす人びとのあいだの信頼感がなくなったり、ひとりひとりがよりよい社会にしようという気がなくなって、どんどんどんどん住む環境が悪くなり、それが人びとの健康にマイナスの影響を与えるということが分かってきました。とくにそれがお金持ちにも影響する、というのがイチローカワチ先生たちが主張している内容です。 ゼミではそうした主張をひとつずつ勉強していこうと思っています。 具体的な進め方ですが、みなさんにやってもらうプレゼンテーションを中心に進めます。 そこに三つあげましたが、 (1)自分が分かっていること・分かっていないことをしっかり区別すること、これがまずは第一歩ですね。 つぎに、(2)分かっていないことを明らかにする方法を知ること、そうしたら、答えが見つかります。でもそれだけでは十分ではありません。 (3)調べた内容をまわりの相手にしっかり伝えること、そうして初めて、自分のメッセージを他人に伝えることができるわけです。 これから皆さんが医療者として働くときに、さまざまなコミュニケーションが必要になります。 一緒に働く医師や看護師、病院スタッフとのコミュニケーションもあるし、 患者さんや、そのご家族など、医療者ではない人とのコミュニケーションもあります。 そうした人たちとしっかりとコミュニケーションをとれる、素晴らしい医療者になってもらえうように、今、足腰を鍛えて欲しいと思います。 一緒にがんばりましょう。以上です。 井上