ひとつのキャンディー
開発分野の問題には、どうするべきか分からない問題が多くあります。
もっといえば、答えが出ないのではないかと思わせる問題が多くあります。
資本主義経済体制に取り組まれたから、途上国はもっと貧しくなった、
という人がよくいます。まぁ、事実ですからね。
もともとは豊かな資源のなかで、貨幣経済に裏付けされていない
生活を送っていた彼らが、いわゆる先進国に都合のいい経済システムの中に
組み込まれたがために、貧困状態に陥ったとする意見です。
農作物は全て商品作物に植えかえられ、不安定な農作物供給体制を
強いられるようになったといいます。
否定するつもりではありません。
もちろん、そういう要素もあります。
しかし、大切なのはこれからどうするかという議論です。
一体全体、どうするのでしょうか?
もともとの貨幣経済に裏打ちされていない生活に戻ることはないでしょう。
かといって、今の経済体制のまま、貧困から脱出することが出来るのでしょうか?
全然分かりません。
世界がどこに向かっているのか。
もちろん、私の勉強不足によるところが大きいのでしょうが。
実は、私のいとこも開発分野に関わっています。
彼がカンボジアに渡航した際に、現地のこどもたちのために
キャンディーを持参しようとしたものの、忘れてしまったとのこと。
そのとき、彼の母親、つまり私の叔母に当たる人は冗談交じりにこう言ったそうです。
「あげなかった方がいいわよ。だってその子たちはこれから食べられないじゃない・・・。」
与えることで生まれる不幸ですか・・・。
ほんの冗談のつもりであったのでしょうが、開発に携わる人間が忘れてはいけない
大切な「何か」が含まれていると思います。
うーん、難しい。奥が深すぎる。
でも、だからこそやりがいがあるんですよね、きっと。