精神病院を精神病院たらしめるもの


一週間の精神保健学実習が終了した。詳しいことは「守秘義務」があるのでかけないが、(と書きたかった。)抽象度を高くして、ざっとメモっておきたい。

精神保健学実習では、
1.精神病院の見学
2.学校精神保健の現場(まぁ、要するに学校)の見学
3.(しばしば精神障害を併発している人を収容することが多い)身体障害者施設の見学
をおこなった。

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1.精神病院
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精神病院では、閉鎖病棟、開放病棟、また急性期、慢性期と様々な病棟を観察。
それぞれに表情が違ったのが印象的だった。

しかし、何よりも印象的だったのは、「精神病院」というイメージからは程遠いということ。皆さんがどのようなイメージを抱いているか分からないが、精神病院といえば、隔離された保護室に閉じ込められた患者がその中で騒ぎ、いろいろなものにあたり、・・・というイメージなのでは。でも、そんなんじゃ全くなかった。

もちろん、保護室というものは存在するし、時には「拘束」を行なうこともあるが、(もちろん、指定医の判断のもと。)多くの患者は薬で症状を抑え、普通に暮らしている。確かに、なんとなくはおかしいのだが、まぁ、普通といえば普通だ。

精神病院は「われわれ」の世界とは隔離された部分にあるので、誤解はなかなか晴れないのだろう。

ワーディングにも大きな問題があるかもしれない。
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閉鎖病棟、拘束、(ちょっと前までなら)精神分裂病、痴呆。
(現在はそれぞれ統合失調症、認知症)
はっきりいって差別・偏見を助長しているとしか考えられない。
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これから地域で障害者を支えていく風にするのには、こういった誤解を解く方策をしっかりと考えないといけない。

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2.学校精神保健
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学校精神保健では、やはりADHD(注意欠陥性多動障害)が問題になっているという印象。学童期の発達障害を扱う精神病院や小学校でも同じ見解。特に、小学校では、教職員のADHDを持つ子どもへの対応がいまいち上手くいかない、とのこと。そりゃそうでしょう・・・。

発達障害って、ここ最近問題になっている印象があるけど、今から考えると、いたのかもしれないな。教えていた塾にも何人かいました。文科省での対策ははじまっているけど、まだまだ大変そう。

あと、男児が圧倒的に多い。

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3.障害者を取り巻く環境。主に金銭面。
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障害者(精神・身体・知的)を取り巻く法制度というのは、現在移行期にあって、障害者自立支援法に一本化されたのが去年。

ちゃんと調べてないから、分からないけど、話を聞いた感じでは、自立支援、にはなっていなそうで、どちらかというと医療費のカットを無理やりすすめた結果っぽい。あと、障害者施設で作っているパンやクッキーをもっとしっかり売っていく方法があれば、いいのになって思いました。売り上げがあれば、おそらく不都合な点もあるんだろうけど、(たとえば、税控除の額がかわるとか、施設から出て行かないといけなくなるとか)そこらへんを厚労省がしっかり考えてくれればいいのになって、思いました。

最大の欠点はヒトがいないことかな。モノもカネもないけど。

という具合に、たくさんの問題があることは分かったけど、それをどのように解決に向かわせていくのか、については、う~ん、疑問。私たちをここにつれてくるより、厚労省の一年目を研修にこさせた方がいいのは間違いないでしょう。


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